Barbershop Quartet
Jeanie with the light brown hair
Lyrics & Music by Stephen Collins Foster
arr.by Ed Waesche
「おお、スザンナ」がヒットし、作曲家として軌道に乗り始めた1850年、フォスターは24歳で5歳年下の幼なじみジェーン(Jane Denny MacDowell)と結婚。翌年には長女マリアンが誕生し、「草競馬」「故郷の人々」「主人は冷たい土の中に」などのヒット曲が次々と生まれました。この曲は、まさに幸せの絶頂であるはずのこの時期に作曲されたのですが、何故か歌の内容は別れた彼女への未練ばかり。
売れっ子になったフォスターは作曲に忙殺されました。フォスターは、いったん作曲活動に入ると、今で言う「引きこもり」状態になり、精神的にもかなりエキセントリックになって、普段とはまるで違う人間になってしまったそうです。そのことがジェーンの心をいたく傷つけたことは想像に難くありません。フォスターはニューヨークの出版社にたびたび出かけ、自宅にあまりいない状態が続き、その間にジェーンは長女を連れて実家に帰ってしまいました。お互いに愛し合いながら、ほんの少しのすれ違いからこじれてしまった関係を、二人は何とか修復しようと努力はしていたようです。けれど面と向かうと素直になれない。フォスターはジェーンへの思いをこの歌に託したのでしょう。ジェーンも同じ気持ちだったようです。フォスターが亡くなった時、駆けつけたジェーンはその場で泣き崩れたそうです。
Jeanie With The Light Brown Hair
I dream of Jeanie with the light brown hair,
Borne, like a vapor, on the summer air;
I hear her melodies, like joys gone by,
Sighing round my heart o'er the fond hopes that die.
Sighing like the night wind and sobbing like the rain
Wailing for the lost one that comes not again:
I long for Jeanie, and my heart bows low,
Never more to find her in the dawns sweet glow.
明るい茶色の髪のジニーを夢に見る
夏の日の空気の中に霞のように漂う…
過ぎ去りし喜びのような彼女のメロディーが聞こえる
かなわなかった甘い期待に私の心はため息をつくばかり
夜風のようにため息をつき、雨のようにむせび泣く
二度と戻らないものを待ち続けながら・・・
ジニーを恋い慕い 私の心は低くこうべを垂れる
夜明けの清々しい光の中に彼女を見つけることは二度とないのだ